『U.S.ニュース&ワールドリポート』誌に「クビになってもやり直せ!これこそ生き残りの秘訣」という特集記事が載りました。過去5年間でアメリカ全土の企業は、3年以上在籍した中級および上級管理職をおよそ50万人解雇しました。2年後には、さらに40万人が追加されるだろうという統計が出されました。記事は次のように続いています。「しかし災い転じて福となる。解雇された管理職の多くは、給料のもっと高いポストを見つけて満足しているという結果が出ている。中小企業に再就職して、会社経営に大きな発言権を持った人もいる。再出発で、仕事と家庭のバランスを考え、今まで知らなかった幸福を獲得した人の数はかなり多い」
結論として、失職した管理職の70%は新しい職を見つけたが、残り30%は「つまらない会社はいやだ」と拒否して、そのままだそうです。小さなステップでも、勇気をもって踏み出した人だけが新たなチャンスに出会えるのです。
ロバート・シューラー著「いかにして自分の夢を実現するか」三笠書房刊より
ニューヨークとカナダを結ぶ鉄道は、多くの人の長年の夢でしたが、ナイアガラ川をまたぐ橋が必要でした。急流のナイアガラ川には橋脚を使った従来の工事方法は役に立ちませんでした。1948年、セオドア・エリオット氏が、何十年もの間の懸案をつり橋という画期的な工法で解決しました。川の両岸に幅7メートル,高さ24メートルの塔を何本も建てて、ケーブルで橋を支えるというものです。ところがどこから工事をスタートさせるか、という難問があります。川にボートを浮かべては作業できず、両岸は岩だらけの絶壁です。エリオットは模索の末ついに解決法を見出しました。まず片方の岸からケーブルを張り、それにゴンドラをぶらさげ、そのゴンドラに作業員を乗せて両岸を行ったりきたりしながら工事を進めるというのです。彼のアイデアを聞いたある人が疑問を呈しました。
「しかし、そんな太いケーブルをどうやって岸から岸へ渡すんだい?」
エリオットは答えました。「まず近所の子供たちを集めて凧上げ大会を開くのさ。そして向こうの岸まで凧を飛ばした者に、賞金10ドルを出す。」
大会には大勢の子供たちが参加しました。賞金の10ドルはかなりの大金でした。しかし、凧は向こう岸に着く前に落ちてしまい、なかなか成功する者は現れません。ついにホーマー・ウォルシェ少年11歳が、南風に凧をうまく乗せ対岸に着地させるのに成功しました。そこで、待ち構えていた少年の友人が凧の紐を岸に縛りつけ、ウォルシェ少年は見事に10ドルを手中に収めました。次の日その凧の紐をもう少し太いロープにつないで、対岸からその紐を引っ張りました。次にそのロープをもっと太いロープにつなぎ、再び向こう岸から引っ張りました。それを何度も繰り返しながら、ついに最後には太い ケーブルにゴンドラを吊り下げる事が出来たのです。そして、ゴンドラに乗った人夫が川を行き来しながら工事は、進められたのです。