☆教職初任者研修会
10月に教団に所属されて3年目までの伝道者の方々の研修会が2泊で持た
れます。藤村は教職ケア室長という立場のため、このプログラムの一員として講
義を担当します。テーマは「牧師の心身と霊性」。色々準備する中で、藤掛明先
生の文章がわかり易く、紹介しやすいと思いまとめているところですが、その一
文をおすそわけ。以下藤掛氏のブログから抜粋です。牧師のためお祈り下さい。
ある年、聖学院大学総合研究所カウンセリング研究センターで東京近郊にある
6つの神学校を対象に神学生の意識調査を行った。教派、教団を越え、ユニーク
な調査を行うことができたと思う。準備段階での印象深いエピソードがあった。
サンプル数をどのくらいに設定しようかということで、そもそも牧師養成をし
ている日本の神学校在籍者の全体の数を、神学校の定員などから推測してみたの
だった。もちろん定員割れしている場合もあるだろうし、外国人が留学している
場合もあるだろう。それを割り引いてもあまりに神学生数が多かったので驚いた
のである。もしこの数の牧師候補生たちが卒業して、毎年、教会に送り出されて
いったならば、無牧(牧師のいない教会)の問題は存在しないだろうし、ほどな
く牧師余り現象が生じるだろう。
研究グループのメンバーは、ほどなく納得した。「牧師の離職」という大きな
問題が存在するのだ。普通の職業以上に、牧師は、使命感に燃え、やりがいを感
じ、専門教育を受け、かつ「つぶしがきかない」職業である。そうではあっても、
心身のコンディションを崩したり、様々なトラブルにはじき飛ばされながら、失
意の中、牧師職を離れていく人たちが相当数いるのである。私たちは、この問題
について、総力を傾けて、取り組まなければならない。牧師、神学者はもちろん
のこと、様々な立場の信徒がこのことに向けて建設的に発言していかねばならな
いと考えさせられている。